登山を始めて大きく広がった、わたしの世界

登山を始めて大きく広がった、わたしの世界

登山 トレッキング

 

私が山登りを始めたのは、28歳の時です。
それまでは、都会で暮らしていたということもあり、周りに山も無く、
山を登る友人もおらず、登山には何の興味もありませんでした。

 

知っている山も富士山、エベレスト位なものでした。

 

 

28歳の時、初めて1人で高尾山に登りました。
ちょうどその時、仕事や家庭のことでもやもやしており、
気分転換がしたかったのです。

 

ただ、「登山」という感覚ではなく「観光」の気分でした。
リフトで中腹まで行って、そこでテレビで見た
天狗焼きを食べよう、という計画でした。

 

天気も良く、麓には登山靴を履いてザックを担いだ
登山客がたくさんいました。
私はジーパンにスニーカーです。
リフトで中腹まで行き、頂上まで行けそうな気がしたので、
登山客の後ろにくっついてそのまま登って行きました。
身体がなまっていたので、30分の登りでも汗だくでぜいぜい言います。

 

しかし、頂上の眺めは素晴らしく、気分は爽快でした。
天狗焼きももちろん美味しかったですが、それよりも
味わったことのない達成感がありました。
たった30分登っただけなのに、です。

 

 

家に帰っても、あの頂上での爽快感は忘れられませんでした。
それからです。私は、爽快感を求め、休日の度に高尾山に通いつめました。
そして、スニーカーじゃ危ないと分かり、トレッキングシューズを買いました。

 

次はザックです。
冬になったら、あるルートの入り口にあった
「アイゼンを持っていない者は通行不可」の看板を見て「アイゼン」
というものを知り、ストックでバランスを取りながら
上手に歩くことも覚えていきました。

 

いくつかの山岳用品店のメンバーズカードを持ち、
本屋でふと手に取るのが山岳雑誌になり、雲取山や丹沢にまで
足を延ばすようになったころ、私はそれまで全く興味のなかった自動車免許を取りました。
理由は、もちろん「山」です。

 

車があれば、もっと色々な山に行けると思ったからです。
そして、私のフィールドは八ヶ岳、北アルプスへと広がっていきました。

 

特に私の心を掴んだのは北アルプスの前穂高岳です。
登っていても楽しい、頂上も眺めも素晴らしい、
そして何より姿かたちがカッコいいからです。

 

好きすぎて、呼び捨てにはできず、「前穂さん」と呼んでいます。

 

他にも鳥海山や宮之浦岳など、印象に残った素晴らしい山はたくさんありますが、
前穂さんだけは特別でこれは一生変わらないと思います。

 

山に染まった私の世界は、今もどんどん広がり続けています。
夏山だけでなく、一年中山を楽しみたいと思い、
30を過ぎてから初めてスキーを履きました。
もちろんゲレンデではなく、冬山登山の練習のためです。

 

また、日本の山だけにとどまらず、英語を勉強し、
カナダやアラスカに遠征に行くようになりました。
8年前には、まさか自分がこんなことになるとは想像もしていませんでした。

 

私は元々引っ込み思案な性質なので、
「あの山に登りたい」という思いがこんなに私を行動的にさせるのか、
と自分でもびっくりしています。

 

山をはじめて、私の世界は大きく大きく変わりました。
あの28歳の時の高尾山が無かったら、今の私の世界はどうなっていたんだろう、
と時々思います。

 

これを運命というのだろうか、と恥ずかしながら考えてしまいます。
私の今の目標は、南米のアコンカグアに登ることです。
目標は次から次へと生まれます。本当に幸せです。